冬にこたつで本を読む~今さらながらの『銀河英雄伝説』(漫画版)~【読書日記】

学生時代、『銀河英雄伝説』が好きでした。
魅力的な登場人物が多く、ヤン・ウェンリー、ワルター・フォン・シェーンコップ、オスカー・フォン・ロイエンタールが特に好きでした。(我ながら、好みに統一性がないと思います。)
約30年前、OVAシリーズをレンタルショップで借りて見ました。
当然、道原かつみさんが描いた漫画も読みました。(藤崎竜さんの作画で漫画化されているということを最近知りました。)

 

[スポンサードリンク]

 

BOOK OFFであれこれ見ながら歩いていたら、道原さんの『銀英伝』が文庫化されているのを見つけました。(うちに単行本と総集編があります。)
その横に『銀河英雄伝説 英雄たちの肖像』という新しいシリーズの文庫がありました。(文庫になっているということは、そんなに新しくもないのですが…)
3巻で完結しているようだったので、3冊まとめて買って帰りました。
内容は、アンネローゼの山荘護衛~フェザーンに赴任していたユリアンの帰還までです。

[↓Amazonへのリンクです↓]
  

読んでいて、とても懐かしい気分になりました。(最近読んだ本は内容を忘れたりするのですが、若い頃に読んだものはきちんと覚えているものですね。)
ただ、登場人物の名前が書いていないので、メインキャラクターはわかるのですが、サブキャラクターには「これ、誰だっけ?」と名前が思い出せない人がちらほらいました。(ローゼンリッターのメンバーとか、ロイエンタールの副官?とか。)

「腐った民主制と高潔な君主制のどちらがよいか」なんて真面目に考えたなぁ…(我ながら、若かったですねー。)
学生時代に読んだ時は、登場人物がやけに大人に見えましたが、今ではヤン提督の享年を超えてしまいました。

 

[スポンサードリンク]

 

3巻の巻末に載っている「【スペシャル対談】田中芳樹×道原かつみ」で、『タイタニア』が完結したと知って驚きました。いつのまにか『アルスラーン戦記』も完結していたんですねぇ…(アニメにもなっていたんですね。)
この2作と『創竜伝』も好きで読んでいたのですが、あまりにも続きが出ないので、途中で見失ってました。
話はずれますが、昔は『銀英伝』、『創竜伝』で一発変換はできませんでした。(変なところで時の流れを感じました。)
その対談で、道原さんが「もう体力的に限界で、これ以上は続けられないですね」と話していて、寂しい気分になりました。
道原さんの描くキャラクターはイメージにぴったりなので、続きが読めないのは残念です。
ここから先も名場面がたくさんあるのになぁ…

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村

[スポンサードリンク]

冬にこたつで本を読む~『源氏物語』に関する本~【読書日記】

私は『源氏物語』が好きで、それと同じくらい『源氏物語』について語った本が好きです。
以下の2冊はその中でも特に印象的だった本です。

大塚ひかり著「源氏物語 愛の渇き」
大学時代、卒論のテーマを『源氏物語』にしようと思い、源氏物語論をいろいろ読んでいるときにこの本に出会いました。私が全く気付かなかった視点から『源氏物語』が語られており、夢中になって読みました。(大学の図書館に置いてある源氏物語論とは一味違う下世話な感じが面白かったのかもしれません。)

特に印象だったのは、「六条御息所の敷地に建てられた」六条院で、「御息所の祟りが、なぜ、最も栄えた明石の君にはふりかからなかったのか」という疑問を呈し、明石の君が六条御息所に似ているという事実をあげ、「紫の上+女三宮 VS 明石の君という、六条院での構図はなんだか、藤壺と六条御息所の“代理戦争”のようにも思えるのである」と述べているところです。こんな見方もあったのかと目から鱗が落ちる気分でした。他にもそのような部分はたくさんありました。
想像だけで書かれているわけではなく、『源氏物語』以外の古典文学についても言及されています。
また、私は浮舟が嫌いだったのですが、この本を読んで印象が変わりました。
とても面白く読みましたが、卒論に引用することはしません(できません)でした。

大塚さんの本は他にもいろいろ読みました。
「なるほど!」と感心するところもあれば、「ちょっとそれは違うのでは…?」と首をかしげるところもありますが、だいたいどれも面白いです。

 

[スポンサードリンク]

 

河合隼雄著「源氏物語と日本人」
源氏物語論(特に女性論)は女性が書いたものの方が面白いように思います。(男性の書いた源氏物語論の中には読んでいて腹が立ってくるものもありますね。)
しかし、河合先生は高名な心理学者だけあって、『源氏物語』を心理学的に読み解いていてとても興味深いです。

私がすごいと思ったのは、「葵の上というと、気位ばかり高くて親しみのない女性、というイメージをもたれがちだが、はたしてそうであろうか。ある意味で言うと、葵の上は源氏を一番強く愛した-愛したいと願った-人と言えるのではなかろうか」というところです。

私は『源氏物語』の女性の中では、明石の君と葵上が好きです。
葵上を好きなのは、自分と同じで性格のきついところに共感したからだと思っていましたが、そうではなかったということに、この本を読んで気付きました。
河合先生は「葵の上は源氏が好きでたまらない。しかし、こんな源氏を愛することができるだろうか。顔を見て自分の想いを伝えようとする以前に、身体の方がこわばってしまう」とも書いています。
こんなに的確(だと私は思います)に葵上をとらえた本を、私は他に知らないです。
葵上の好きな相手に素直になれないところに、私は共感していたんだなぁ…

最近、岩波文庫から原文+注釈の新しい本が出ているので、そちらも読んでみようと思っています。

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村

[スポンサードリンク]

秋の夜長に本を読む~着物の本~【読書日記】

月に1~2回着物を着るようになってから、5年以上が経ちました。
最初の頃は「私の着物姿はおかしくないだろうか?」ということがやたらと気になって、着物関連の本を片っ端から手に取ったものです。
本を読んで先人の知恵を借りようと思っていたのに、結局本に書かれているのと同じような道を歩いていたりします。
着物や帯の種類を増やしたくて、リサイクル着物やヤフオクで安く購入したものの、目が肥えてからはそれらを着なくなるという、着物初心者にありがちな体験もしてきました。
箸置きの裏に帯留金具をつけたり、ビーズで羽織紐を作ったりもしました。
今でも、見たことのない着物の本を見つけると、ついつい手に取ってしまいます。

近藤ようこ著「あしたも着物日和」
着物にどっぷりとはまっていく過程が漫画で描かれています。
書き手のこだわりや思い入れが強過ぎると読んでいて引いてしまうこともありますが、この本は体験談がさらりと書いてあって読みやすく、内容も庶民的です。
着物を着始めた頃も「そう、そう」と頷きながら読んでいましたが、今読み返しても「わかる、わかる!」と共感できます。

 

石橋富士子著「知識ゼロからの着物と暮らす」
可愛いイラストで着物での暮らし方が紹介されています。
「着物でお手洗いに行くときって、どうすればいいんだろう…?」という疑問にイラスト付きで答えてくれた本でもあります。出かける時や食事をする時のアドバイスが載っている実践的な入門書です。

 

大久保信子著「伝統を知り、今様に着る 着物の事典」
着物のコーディネートに困った時は、大久保信子先生の本を読んでおけばまず間違いないと思ってます。
紹介されているコーディネートは正統派で上品なものばかりです。
普段着物なら自由に着ればよいのですが、少し改まった場所に出かけるときには、こういう本が手元に一冊あると安心します。

 

群ようこ著「きもの365日」
1年365日を(できるだけ)着物で過ごしたらどうなるか、という実体験が綴られています。
毎日着物で暮らすことには憧れますが、実際に着物を着て生活するのってこんなに大変なんですねぇ…
小唄の先生や踊りの先生からのアドバイスも紹介されています。
「ちょっと意地悪目線だなぁ…」と引っかかる部分もありますが、赤裸々な体験談で参考になります。

 

中島梓著「着物中毒」
ラフな話し言葉のような文章、文末の顔文字や(爆)に戸惑います。(どういう層をターゲットにした本なのでしょう?)
しかし、きもの初心者が迷うところや困るところをしっかり押さえていて、着物が大好きなんだということは伝わってきます。この本の真似をして、アンモナイトの帯留を作りました。

 

白洲正子著「きもの美」
「こうげい」というお店を銀座に出した時の体験談、素材についてのエッセイ、着物の選び方など、参考にできるできないの次元を超えて、読み物として面白いです。
口絵がカラー写真でないのが残念でした。

 

着物の本を読んでいると、着物を着て出かけたくなります。
あまり汗をかかない季節になったので、着物でお出かけするにはちょうどよいです。(雨さえ降らなければ…)
スケジュール帳を見ながら、いつ出掛けようかと考えています。

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村

[スポンサードリンク]