歌舞伎座の十二月大歌舞伎を着物で観劇しました。
襲名披露でもないし、お正月でもないので、カジュアルな着物です。
いつもは新幹線からJR山手線に乗り換えて有楽町で下車するのですが、この日は向かいの電車に乗ったせいか、有楽町でいつもと違う出口に出てしまい、日比谷駅までやたらと歩く羽目になりました。
日比谷駅からは日比谷線に乗って、東銀座に向かいます。
十二月大歌舞伎 第一部
源平布引滝 実盛物語
愛之助さんが斎藤別当実盛、片岡亀蔵さんが瀬尾十郎を演じています。(亀蔵さんがお二人になったので、ややこしいですね。) 爽やかな捌き役と憎々しい敵役です。
史実とはいろいろと違うのですが、お芝居(それも歌舞伎)でそんなことをいうのは野暮でしょう。
孫を思う瀬尾には泣かされますし、颯爽と馬で去っていく実盛はかっこいいです。
「義賢最期」と続けて見たいですね。
新古演劇十種の内 土蜘
お能の「土蜘蛛」をベースにした演目だそうですが、お能の方は見たことがないです。
大江山の酒呑童子を退治したことで有名な源頼光のもとへ土蜘の精がやってきて、いろいろあって退治されてしまうお話です。(などと書くと身も蓋もないですね。)
間狂言に出てくる小姓役の亀三郎君が可愛いです。
十二月大歌舞伎 第二部
↓めでたい焼きです。これを食べるために3階までエスカレーターで上がります。
中に紅白のお餅が入っています。あったかくて美味しいです。
らくだ
中車(香川照之)さんが気の弱そうな紙屑屋久六、愛之助さんが腕に彫り物を入れたコワモテのやたけたの熊五郎を演じています。
熊五郎に振り回されっぱなしだった久六がお酒を飲んで、熊五郎を振り回す側に回るところが面白いです。
この二人のやり取りとドタバタが面白いのですが、陰の(真の?)主役はらくだの宇之助を演じる片岡亀蔵さんだと思います。(タイトルも「らくだ」ですしねぇ。)
死体の役なのですが、「え? もしかして、生きてるの…?」と思わせる動きが絶妙です。
ストーリーもあってないようなものですし、わかりやすくて楽しめます。
倭仮名在原系図 蘭平物狂
○○実は△△のオンパレードで、いまいち物語はわかりにくいです。派手で長い立ち回りが見どころです。
花道で役者さんが梯子に登って天辺に足をひっかけて逆さになって、その梯子に松緑さんが登って、さらに梯子が倒されて… 上手く説明できないので実物を見ていただきたいのですが、とにかくすごいです。
身体を丸めた人の上をトンボで超えたり、屋根からトンボ返って飛び降りたり、お弟子さんたちが頑張ってます。
この物語では親子の愛情が描かれていて、松緑さんと左近君の実の親子が演じていることもあり、じーんとします。
在原行平役の愛之助さん、大江音人役の坂東亀蔵さんも素敵でした。
この日の着物
塩沢紬に月の砂漠(らくだ)の帯、山吹色の帯揚げ(松葉の刺繍入り)と帯締め、クマのブローチを帯留め代わりにしました。
襦袢はテディベアです。反物を広げたらクマと目が合ってしまい、ついつい買ってしまいました。
着物の上に紫色で笹の模様の羽織を着ました。
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