秋の夜長に本を読む~骨董とアンティーク~【読書日記】

活字離れが叫ばれているらしい昨今ですが、私は活字中毒です。
電車通勤中や公共交通機関での移動中はたいてい本を読んでいます。
その時に興味をもったジャンルを集中して読むことが多いです。文章を読むだけでなく写真を眺めるのも好きで、時間があるときにページをめくっています。

私が骨董・アンティークに興味を持つようになったきっかけは、今思えば歌舞伎です。
歌舞伎→着物→アンティーク着物→アンティーク→骨董と、興味を持つ範囲が広がっていきました。
もちろん、資産になるような高価なものは買えませんから、お小遣いの範囲で酒器やカトラリーを買って楽しむくらいです。
そして、骨董・アンティークにまつわる物語を読んだり、写真を見るのが大好きです。

桐島洋子著「骨董物語」
まずぱらぱらと本をめくり、写っている骨董の美しさとセンスの良さにため息が出ます。
骨董のコレクションを紹介した本には、少なからず「これのどこがいいの?」という品が混ざっているのですが、この本にはそれがありません。(私にとっては、です。)
骨董を手に入れたときのエピソードも素敵です。
こんな素敵な骨董を見つけるセンスと、それを手に入れる財力を持っているなんて、羨ましい限りです。

 

六嶋由岐子著「ロンドン骨董街の人びと」
ロンドンの古美術商「スピンク」で働いた体験を綴ったエッセイです。自分では絶対に覗き見ることのできない世界が描かれていて興味深いです。
どちらかというと、骨董についてよりもイギリスの階級社会についての方が興味をそそられました。数年前、夫の海外転勤についてイギリスの田舎で暮らしていた友達が「やっぱり差別はあるよ」と話していたことを思い出しました。
そういう社会だからこそ古い物が愛されているのかな、とも思います。

 

「白洲正子の世界」
白洲正子さんの骨董の本はいくつか読みましたが、私のような庶民には「…わかんない」と思うようなものが半分くらいありました。
この本に紹介されている紅志野香炉と志野輪花ぐいのみは素敵だなぁと思います。
信楽水指について「八百万か千万とでもいうのであろうか。(中略)その半分もしないので抱いて帰った。」とあるのを読んで、伯爵令嬢はスケールが違うと唖然としたものです。

 

「白洲正子 美の種まく人」
白洲正子さんと骨董屋さんとのエピソードが面白いです。
単純な私はこの本を読んで、英国銀器のスプーンがほしくなり、ネット通販で購入しました。イギリスのスターリングシルバーはホールマークがついているので、素人でも手を出しやすいです。

 

大原千晴著「食卓のアンティークシルバー」
きらきら輝く銀器の写真が美しいです。スプーンにこんなに種類があるのかと驚きました。
写真だけではなく、銀器についての解説、ホールマークの見方、買い方と選び方なども載っていて、実際に買い物する前に読んでとても参考になりました。

 

「English Silver Hall-Marks」
イギリスのアンティークシルバーに興味を持つようになり、通販サイトで買い物をするようになると、「これ、本当に製造年はあってるのかな?」と思うようになり、ホールマークの本を買いました。(実際、写真に写っているホールマークと記載してある製造年が違っていることもありました。)
もっとはっきり判別できるかと思ったのですが、「消去法でこれかな?」というものが多いように思います。
自分の生まれた年のスターリングシルバーがほしいと思っているのですが、中途半端な年代になるので、なかなか見つかりません。

いつかヨーロッパの蚤の市に行って、掘り出し物でなくてもよいのでお気に入りの一品を見つけてみたいものです。

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